
美しい景色。
モスクのミナーレがイスラムだと教えてくれる。
こんなに美しいのに、こんなに気持ちがいいのに
あのときの僕には
ワンケディの家から門衛のところへ戻ってきて、僕は気づいた。
トルコ語の会話本がない!!リョム(兄)は楽しそうにトルコ人の兵隊となにやら話している。
その傍らで僕は一人でごぞごそかばんの中や、ポケットの中を探す。
何度も何度も探す。
しかし、ない。
気持ちが青ざめていく。
どこで落としたのだろう。
最後に会話本を使ったのは、この大学のキャンパスへ来るバスの中だった。
それ以来使ってない。
僕は一生懸命、バスの中で会話本を最後にどうしたのかを思い出す。
一番後ろの席の一番奥に僕は座っていた。
そこで英語を交えながらトルコ語に挑戦していた。
で、どうした。
それからどうした。
思い出しても次の瞬間は兵隊のところでケディの家の場所を聞いてるシーンになってしまう。
本をどうしたか思い出せない。
バスの中に忘れてしまったのか。
それも確かではない。
ひょっとするとケディ(猫)たちと戯れてたときに落としたのかもしれない。
そういえばワンケディの家の中で戯れてたとき、ワン猫が僕のかばんの中に入ろうとしていた。
つまり
かばんは開いていた。ワンケディの家の中なのに落としてきたのかもしれない。
それか、ワンケディの家の外でケディに夢中だったときに落としたのかもしれない。
一時間もいたんだし、可能性は十分にある。
もしくは門衛のところからワンケディの家までの10分間の移動の間に落としたのかもしれない。
あぁああぁぁあ
ああああああ!!さっきまでの幸せな気分はどこへいったんだ。
まるでどん底だ。
トルコ旅ははじまったばかりだというのに、ここで会話本がなくなるのは痛すぎる。
とにかく今できること。
ワンケディの家に探しにいくことだ。
リョムになくしたことを打ち明けて、一人探しにもどった。
あんなに気持ちよかった平原も
異文化を感じさせるモスクのミナレット(尖塔)も
青い空も
遠くに見える白い山も
美しすぎて、余計に僕を惨めにさせた。
小走りでワンケディの家まで戻った。
しかし、わかっていたが既に閉館していて、中に入ることはできなかった。
仕方ないので家の外周を回る。
すると
にゃーにゃー、みゃーみゃー
ケディが僕をみつけてうれしそうにかけよってきた。

※再び登場
予期せぬ再会となったが、僕にはケディたちと戯れる余裕はなかった。
たださっきまでいた場所で本を探す。
何度も見直す。
僕がうろうろするのにあわせてケディたちもニャーニャーついてくるのが辛かった。
しばらく粘ったが、やはりなく仕方ないのでリョムのいる門衛のところへ戻ることを決めた。
帰りの道も道端や水溜りなどにも注意しながら戻った。
なかった。
帰ると
リョムがすごい笑顔だった。
どうやら旅のガイド本をつかってトルコ人の兵隊と打ち解けていたみたいだ。
リョムが熱い口調で言った「俺の奮闘ぶりをビデオに撮って欲しかった!」
よっぽど充実した時間だったようだ。
トルコ人に僕の会話本がなくなったことを伝えようするがまったく英語が通じない彼ら。
お互いに困ってしまった。
ディクショナリーすら通じない。
そこへフランス人の女の先生が現れた。さすが大学である。
彼女は少しだけ英語がしゃべれるらしく、お互いヘタッピなよく聞き取れる英語で
会話集がなくなったこと、ワンケディの家にはいれなかったこと、バスの中にあるかもしれないことを伝えた。
フランス人の女の人のおかげで彼らにも僕らの状況がつたわったらしく
兵隊たちも僕たちによくしてくれた。紅茶のようなチャイで僕らをもてなしてくれたし、写真とかもみせてくれた。
しかし、ワンケディの家は明日にならないと入れないというし、とにかくワンの街へ戻ることになった。
バスが来るとフランス人の先生が運転手に事情を話しバスのあつまる会社まで連れてってくれと伝えてくれた。
僕らは兵隊さんたちとフランス人の先生に「テシェッキュルエデリム」とお礼を言って分かれた。
不安を乗せてバスはワンの街へ、
でもバスには大学生がたくさん乗っていて注目の的になった。
笑顔と質問の嵐だ。
おかげで気分が少しやわらいだ。
最後の停留場で全員の客が降りたあとも僕らは乗り続ける。
バスの運転手が最後の停留所で「ここで降りたらいかんぞ」と教えてくれたのも親切だった。
一日の仕事を終えたバスが集まる駐車場へ到着した。
降りた途端、たくさんのトルコ人に囲まれた。
よっぽど日本人が珍しいらしい。
会社のボスに事情を話す。
というか、囲んできたトルコ人の中で中途半端に英語ができる人がボスに伝えてくれた。
どうやら明日の8時にもう一度ここに来いということだった。
ドウバヤズットの雪から始まった長い一日で
完全に疲れ果てた僕らは、お湯がでないホテルへ戻ってぐったりするのだった。
会話本のことで胸がいっぱい。
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- 2006/08/10(木) 13:03:56|
- 2006年トルコ イタリア スイスの旅
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| コメント:17
旅先で大事なもの・・・

私も経験アリ・・・財布の入ったかばんごとなくしたww

みつかりましたがねww
ああいうときの気持ち・・・なんとも言えないですよね

- 2006/08/10(木) 14:25:49 |
- URL |
- 蓮・華 #-
- [ 編集]
遠い異国の地で、とつぜん何も喋れなくなるという恐怖・・・・!
コミュニケーションの偉大さを痛感しますね!
うう、本は見つかるんだろうか?気になるなぁ。
o(;-_-メ;)o ワクワク
あ、猫のオッパイは、うまく吸えず、味まではわかりませんでした。残念。
母が、なぜ猫のオッパイがうまく吸えないか、とても詳細に説明してくれたことが、印象的でした。
- 2006/08/10(木) 15:06:39 |
- URL |
- 失敗だらけだフニャ #lPbted/2
- [ 編集]
うわぁ、英語が満足に通じない国ではちょっと心配ですね。
そんで、日本人もあまりいないんでしょう?
不安だったでしょうねー。
本、見つかるんでしょうか!?
- 2006/08/10(木) 18:03:43 |
- URL |
- fumifumi #-
- [ 編集]
思いがけないワン猫ちゃんとの再会もかすんでしまったのは残念ですね。
トルコは世界のなかでもかなりの親日国家らしいですが、
日本人で訪れる人は少ないのでしょうか。
それも残念ですね。
- 2006/08/10(木) 21:03:10 |
- URL |
- K #6SlKZDlg
- [ 編集]
ものを無くすって、すっごい気が悪いです。
それが、外国ですから・・・・その時の気持ち、お察しします。
フランス人の先生が、居て、少しは救いでしたね。
ところで、ウナムさん、ワン猫の写真1枚増えたわね。またまたかわいいわ!
お写真、撮る余裕あったのね(笑)
- 2006/08/10(木) 22:16:30 |
- URL |
- maa #halAVcVc
- [ 編集]
お疲れ様でした!どちらかと言うと次男坊さんのほうがしっかりしているのですが。
でも、会話本は旅先では"命綱”のようですものね。無いと分かった時は全身から血の気が引く思いだったのでは。でも、トルコのみなさんに感謝をしないといけませんね。フランス人がいなかったらまたどうなっていたのかしら?
- 2006/08/10(木) 22:30:20 |
- URL |
- sakura #-
- [ 編集]
こんばんは。
旅先で親切にしてもらって、ちょっとお礼が言いたい
とかちょっと人に尋ねたいって時に会話本があるとないのとでは、その労力はかなり違ってきますよね。
本当に命綱という感じがします。
でもケディがまた登場してくれて嬉しい!
かわいいですよね
- 2006/08/10(木) 22:49:53 |
- URL |
- kunikuni #-
- [ 編集]
会話本を無くされたのは、かなり痛いですねー・・・
昔、英語が全くわからない海外の方に商品説明をした事が
あるんですが、会話集とかがないと結構、辛かったです(ノ_・、
- 2006/08/11(金) 01:00:37 |
- URL |
- 紫音 #-
- [ 編集]
言葉が通じないというのはたいへんなことですね
その後、どうされたか、心配やらわくわくさせて期待したりしています。
- 2006/08/11(金) 06:20:05 |
- URL |
- あすとろ #-
- [ 編集]