
修験の道。
筋肉を酷使しながら
身体のバランスをとりながら
足を滑らせながら
ただ登る。

なぜなら、そこに山があるから。

と、言いたいとこだが、今回の投入堂行きは理由があった。
あれは春のゴールデンウィーク。
私の父親がこの山のくだりで転び
めがね紛失および、オデコを数針縫うケガをしたのだ。
その折に、近くにいた大学の先生に止血などの世話をしてもらい
さらに山の下からお坊さんが二人やってきて、父を二人で肩を組んで立たせ
メガネがないのと体力がないので足元がおぼつかないのを
お坊さんの足の甲の上に父の足を乗せて一歩一歩下るというお世話をしてもらった。

そう、これは、お礼を兼ねた参拝なのである!
父から託された礼状を住職さんに渡す任務。
そしてコケた現場を見てくるという義務。
それがこの旅の目標だった。
しかし、実際行ってみて驚いた。
想像以上に険しい。
そりゃ、200メートル先の歯科医にも車でいく父には無理な山だ。
むしろよく登ることができたと感心した。

実際、この山で転んでなくなる方もいるそうだ。
行ってみれば、確かにどこでも死ねる。
足を踏み外して崖から星になる、足を滑らせて岩に頭を強打する。
(父はこの二つのミックスでした)
修験道は死に近づくことによって、あちらの世界を感じれるほどになると聞いたことがある。
この山を見て、なるほどねと思った。
- 2014/12/04(木) 12:58:37|
- 投入堂 2014
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